■ハイレゾを考えたら、MP3は今や時代遅れ
かつて、CDの曲を取り込むときに、そのまま取り込むとファイルが巨大なため、
音楽ファイルを圧縮する必要がありました。
そのときに一世を風靡したのがMP3という圧縮方式です。
この方式には、初代iPodをはじめとして数多くのオーディオプレーヤーが
再生できるように対応したのです。
カーオーディオやミニコンポなどでも、MP3の曲が入ったCDを再生する
ことができます。CDやDVDを内蔵するオーディオ機器の多くで対応している、
いわば世界標準の音楽圧縮方式と言えるでしょう。
しかし、もうMP3を使うことを見直す時期に来ています。
なぜかというと、ハイレゾ謎高音質を求める人が増えているにもかかわらず、
MP3では音質が悪いからです。
MP3は、単にファイルを圧縮しているのではなく、
音の一部をカットすることによって、音楽データをCDの1/10程度に
小さくしているのです。
これによって、容量の小さな音楽プレーヤーでも多くの曲を持ち歩けるように
してきたのです。
でもその状況が変わりつつあります。
■技術の進化で大容量メモリになり、圧縮の必要性も軽減した
技術は常に進化し、メモリ容量はどんどん大容量になってきました。
iPhoneでは128GBという巨大なメモリ容量が搭載されましたし、
iPod nanoですら、大きな空間を持っています。
ですから、必要以上にデータ量を減らす必要もなくなってきたのです。
このような時代の変化があって、音楽データの圧縮方式も
なるべく高音質のものを利用するように変わってきました。
その結果、採用されているのは、CDから読み取ったときの音質に
戻せる方式です。これを可逆方式といいます。
可逆方式のメリットは、保存するときには容量が小さくてすむのに、
再生するときは、音楽データが本来持っている音の品質にまで
戻して再生することができるところです。
■iTunesを使うなら、ALAC方式で読み込む
この可逆方式で標準的なものがFLAC方式といいます。
アップルのiTunesではFLACを搭載していませんが、ALACという方式は
可逆圧縮方式となっていて高音質なのです。
iTunesでは、ALAC方式で圧縮しておけば、音楽CDを作る際には
音楽ソースと同程度の音に戻したあと、CDの形式である
AIFFに変換されます。
可逆圧縮方式を使うと、このように高音質な状態に戻せる点が
有利なところです。
■Walkmanは高音質フォーマットに対応しているのがウリ
一方、Walkmanはさらに高音質なデータフォーマットDSDに対応しています。
DSDはソニーとフィリップスが作った、ハイレゾ向けのデータフォーマットで、
他のフォーマットよりデータが大きくなってしまう欠点があるものの、
音楽をより高密度に、広範囲にデータ化できるのがメリットです。
iPodを選ぶかWalkmanを選ぶかは、音楽以外の楽しみを持つ
iPodにするか、高音質にこだわってWalkmanにするかの選択に
なるでしょう。