■ 認知症患者を個人が守ることには限界がある
認知症の患者が徘徊してJRの電車にひかれ、その損害賠償を家族が負うべきかどうかの裁判で、家族にその責はないという判決が出ました。
認知症を患い徘徊の多いご家族がいらっしゃる方には少しホッとする判決ではなかったでしょうか。とはいえ、認知症患者の看護という役割が家族からなくなることはありません。
介護疲れに犯罪も発生している現状では、介護すべての責任を家族に押しつけると歪みが生じてくるのです。
そんな中、少しずつ地域で支援する仕組みが登場してきています。徘徊した人を地域の人が見つけようという試みです。
■ スマホを使って徘徊している人を見つける
それが「見つけて.net」の取り組みやALSOKの新サービスなのです。
どういうものかというと、認知症の患者に小さな発信器を付けておきます。徘徊してしまったら、事前に登録しスマホのアプリをインストールしたボランティアの人たちに通知が届き、発信器の電波を受信して場所がわかるというものです。
特徴はそれぞれの認知症患者さんには、異なる番号の発信器を付けるので、協力する人はアプリをインストールするだけで良いということです。
徘徊している人を見つけて通報するといった従来の方法とは違います。
■ 協力する人の作業は、通知を受けたらアプリを起動するだけ
この捜索に協力できる人は、事前にアプリをインストールしておきます。
徘徊した人が現れると「捜索依頼」が来ます。そうしたら、そのアプリを起動するだけです。もしあなたが徘徊している人の約45メートル以内に偶然近づいたら、その人の信号をキャッチしたら自動で現在地が通報されます。
つまり、この徘徊捜索に協力するのに、あなたがすることはたった2つです。
①アプリをインストールしておく
②捜索連絡が来たらアプリを起動する
1点だけ注意があります。このアプリを使うにはWi-Fiとブルートゥースをオンにしないといけません。少々スマホのバッテリ消費が増えますので、その点だけ気にしておく必要があります。
捜索にかかる時間は長時間ではないとしても、捜索が終わったらWi-Fiやブルートゥースを普段使っていない人は、必ずオフにしましょう。
こういった小さなことで地域で認知症で徘徊した人を家族の元に返してあげることができます。あなたも協力してみませんか?